桜が散るように ー 新撰組 ー


どこで見つけたのやら、いつの間にか手に持って追いかけてきた沖田から逃げる桜。


(なんで素手で持てるの!?)


にこやかに追いかけてくる沖田には恐怖しか感じない。


「ハハッ、やだなぁ。監察方になったら屋根裏とかの活動が多いんですよー?ゴキカブリなんて、それこそ沢山…」

「言わないで下さい!」


そんなやりとりをしながら、もう屯所内を一周した。

桜は逃げる方法を考えて――


(…やむを得ない、うん、しょうがない!だって私には手に負えない!)


―――ガラッ


襖を開け、中にいる人物に助けを求めた。


「た、助けて下さい!―――土方さん!」

「はあ!?」


土方はいきなり入ってきた桜に困惑した。

もともと、土方に迷惑かけないように沖田の相手をしようと思った桜だが

本末転倒になってしまった。



< 102 / 242 >

この作品をシェア

pagetop