桜が散るように ー 新撰組 ー


くっ、と悔しさを押し殺し、そろそろいいかな、と動画撮影を終える。

ピッと音が出たことに反応した二人。


「……なにしてたんだ、桜?」

「へへーん。二人には教えませーん!」


サッとケータイを懐に隠す。

意地悪されたから、これくらいの報復は許してほしい。

それに


「これは私の宝物にするんです。宝物は秘密にしてこそでしょう?」


そう言ってえへへと笑うと、二人は微笑んだ(山崎はほぼ無表情だったが)。


「さて!んじゃあ俺はそろそろ仕事するか」


よっこらしょ、と立ち上がる土方。
続いて山崎も立ち上がる。


「それならば俺はお暇します」


そう言って、静かに去っていった山崎。

その時開いた襖から外をみれば、もう暗くて、それが分かると眠くなってきた。


「じゃあ私はそろそろ寝ますね」


そう言うと、優しい声で「おやすみ」と返ってきた。


今日はいい夢を見れそうだ、と思って眠りについた。



< 162 / 242 >

この作品をシェア

pagetop