桜が散るように ー 新撰組 ー
「死ぬ覚悟すら、もう出来てます。」
まだ幼さの残る少女の言葉。
それは諦めとか、負の感情とは違う。
ただ、強い意志があるのみ。
「それでこそ……」
土方はそこで言葉を切ったが、おそらくこう続くのだろう。
―――武士ってもんだ。
土方は口に弧を描いて笑う。
……うれしかったのだ、単純に。
刀を持っているだけで
何もしないで威張っている奴ばかりのこの時代。
少女が、武士の心を持っていた。
そのことに。