いちごいちえ




自分が変になりそうで、これ以上はダメだと思い抵抗しようと瑠衣斗の胸を押す。



それでも瑠衣斗は止まる事なく、私を激しく求めた。



顔をそむけようにも、後を追うように瑠衣斗が唇を塞ぐ。



痺れるような感覚に、流されそうになりながらも、必死にそれを受け止めた。



それでも何度か胸を押して抵抗するうちに、ようやく瑠衣斗がそっと唇を解放してくれる。




小さく肩で息をしながら瑠衣斗を見上げると、熱っぽい瞳と視線がぶつかる。



じっと見つめるその表情は、何だかいつもと違って真剣だ。



でもやっぱり、瑠衣斗の瞳からは熱が引く気配はなかった。



「…る…ぅ?」



何も言わない瑠衣斗に対して、たまらず小さく名前を呼んだ。



すると、瑠衣斗は私から目をそらさずに、ゆっくりと口を開ける。


ドキドキと高鳴る鼓動が、うるさい程に全身を響かせていた。


触れられた箇所が、熱を持ったように熱くてたまらない。





「……もう…俺のモンになれ」




低く囁かれた声が、私の全身にくまなく染み渡る。


言われた言葉を飲み込めず、一瞬何も考えれなくなった。


言葉なんて出てこなくて、ただただ瑠衣斗を見つめる。


金縛りにでもあったかのように、身動きも取る事も億劫だ。



見つめる色素の薄い瞳から、目をそらす事もできない。


真剣なその表情からは、からかう様子は一切感じられず、私は身を固めたまま瑠衣斗を見上げていた。



流れるように私の頬に手を添えると、優しく唇を重ねられ、その感覚に目をぎゅっと閉じた。
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