ぶす☆カノ
「へえー……、こんな道、知らなかった」
後をついて行くと、一気に人通りがなくなった。
人混みがあまり好きではない私は、ちょっとだけ、安心した。
それにしても……、あんなに彼の人気が凄まじいものだったなんて、知らなかった。
同じ高校はもちろんだが、他校だ、他校。
髪はくるくる、スカート短い、目なんかばちばちな女の子ばかり。
私はお邪魔でしたね、はい。どこにいても、彼を見れば女の子から寄ってくる。内山さんは、携帯の番号を軽々交換する。
……コイツ、どうにかなりません?
「……いろんな道、知ってる」
へえー、私は言いながら、キョロキョロした。
「……わあっ」
右を見れば、見事なひまわり畑。黄色に輝いている。
ひまわりって昔から、見ると元気になる。笑顔になる。
何より、ママが一番好きな花なの───…