線香花火
いち
夢をみた。

それは昔に何度も見ていた夢で。

線香花火の香りと光が、夢とは思えないほど鮮明に感じられた。

ただ昔にみたものより所々が途切れていて、思い出そうとすると頭が痛くなった。

「時間、経ったな。」

カーテンを開け空を眺めると、余計に昔の出来事が遠く感じられた。
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