いつまでも君を見ている
伊勢谷を呼び出したのは屋上。

涼しいような、生ぬるい風が吹いている。

「あ、呼び出してごめん!なんか、変な誤解されちゃって!」

「…あぁ」

「…どうしたの?」

伊勢谷の反応が薄い事に疑問を抱くが、伊勢谷は、別に、と言うのであまり気にしなかった。

「あの、事件のとき。退院してから笑って無かったって言ってたじゃん?あれ、多分義父さんが帰って来いって言ったからだと思うんだ。後々考えてみたらそうっぽかった」

「おとうさんって、預けられた?」

コクと頷く。

そして、私はその日から悩んだ。

無意識に学校でも悩んでいたんだと思う。
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