いつまでも君を見ている
あの、手塚さんの言葉。

[いつか、貴方の本当の家に、帰って来て下さいね]

自然に、あの言葉に悩んでいた。

自分の本当の家とは、どこかと言うことについて。

「でね!家に帰ってみようと思うんだ。過去を知ってるの伊勢谷だけだし、言っとこうと思って」

「…大丈夫か?」

「大丈夫、大丈夫!ヤバくなったら逃げるし!」

あの警備から逃げられるとは思わないけどね。

「それに、逃げてるみたいで嫌だから」

「ヤバくなったら逃げるって言ったのに?」

「…そうだね」

自分の言ったことが矛盾してるとわかり、笑ってしまう。

伊勢谷も笑っていた。
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