コトバ
★5


暫くぼーっと突っ立ってた。



…授業
始まっちゃったなぁ。


今更教室に入ることもできないので、
とりあえず屋上に来た。



心地よい風が吹いていて
私の髪をなびかせる。


雲一つない青空を見ていると

また 涙が出てきた。




もう やだぁ…



寝転がって顔を埋めていると



ガチャッ


扉の開く音。

そして、


人の気配。





そっと

顔を上げてみた。




「…優斗」




一瞬

健司かもとしれないと思ってしまった自分に

苦笑する。



「…どうした?

千春がサボるとか、珍しいじゃん」


『‥‥』



「何かあったか?

…泣いただろ」


ビックリした。


『何でわかるの??』



「涙の跡」

私の目の下辺りに
優斗の長い指が触れる。


その温もりに
私は また泣いてしまった。


『…っ』


泣いてる場合じゃない。

優斗だって困っちゃうよね。



唇をかみしめて涙を堪えようとする。


ぐいっ

『!!?』



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