コトバ
★7


「…千春さー」


『ん?
何??』


「健司のこと好きだろ」


えっ…



『えぇ~っ

  何で!?』


「やっぱりなぁ…」


[はぁ]と、ため息をつく優斗。



『ねぇ
何で??』


「千春のこと見てればわかるよ」


私のこと

見てればわかるって…



そういえば優斗

私のこと…



『優斗!

あのさっ』

「ん?」


『えっと…』


ちゃんと断らないとダメだよね。



『私―「わかってるよ」



言葉を遮られた。


『…え?』


「千春が、俺のことを友達としか思ってないのも

今、断らなきゃって思ってるのも


わかってるから」



優斗…

『…ごめんね』



「はぁ…」


また 優斗がため息をついた。




「悔しいけどさ

千春が健司のこと 大好きなんだって事もわかってるから」


そう言われ、顔が真っ赤になった。



「健司にちゃんと言えよ?

後悔だけはすんな

俺は千春の笑顔が好きなんだから」


また涙が出そうになった。

でも


笑顔で言った。



『ありがとう



優斗のこと好きだよ』


って。



それはもちろん友達としてだけど


その気持ちは本当だから。



たくさん“ありがとう”の気持ちを込めて言ったんだ。






それから屋上を出て、階段を駆け下りた。



健司に会いに行かなくちゃ―








「んなこと言われたら
諦めらんねーじゃん」


千春がいなくなった屋上で 優斗は呟いていた。



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