コトバ
★8


健司…

どこにいるんだろう


早く会いたいよ――…




既に放課後になっていたので

部活をしている生徒以外は
ほとんどいなかった。


健司はバスケ部に入っていたけど、
今日は定休日。



…もう帰っちゃったのかなぁ



私も帰ろ…



鞄を取るためにクラスに向かった。



そういえば

まだ教室見てないや



健司いるかなぁ…


ガラッ


ドアを開ける。


『…いた』


目に入ったのは


鞄を枕にして眠る



愛しい彼の姿。




起こさないようにそっと近付くと

顔をのぞき込んでみた。




かわいい寝顔…

自然と顔が緩んでしまう。



何か

今なら言えそうかも



寝ているから

気づかないだろうけど



何だか言いたくなったんだ。



『健司

好きだよ…』



そう言った後

何だか恥ずかしくなって後ろを向いた。



聞こえてるわけないんだけどね。




「…それ
本当?」



突然 背後から声が聞こえ、
ビクっとする。


振り向くと


私をじっと見つめる健司の姿。



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