コトバ
★9

『…起きてたの?』


「うん

千春が入ってきてから」



ってことは

聞かれてたんだよね…


「…さっきの本当?」



何も言えずに黙り込む私。


すると


「…んな訳ねーか

今日も優斗と仲良くサボってたみたいだし


付き合ってんだろ?」



寂しそうな顔で健司が言った。



何で
そんな顔するの??


「じゃ

俺帰るな…」


『~っ』


伝えなきゃ


決めたんだから



『健司!!』



ドアの所で健司が立ち止まる。



すぅ...

軽く息を整えて


言った。



『さっきのは本当だよ



私は…

健司のことが


好きなの』



やっと口にできた想い。


健司の反応が怖いけど、すっきりした気分だった。



「…マジかよ

だって優斗は?」



困惑した顔つきで問いかけてくる健司。



『ちゃんと断ったよ

だって私は健司が好―…』


“健司が好き”と言おうとしたけど、
急に抱きしめられたため 遮られた。


そして


「俺も…


千春が好きだ」



その言葉を聞いて

私は涙が止まらなかった。



「ふっ

泣き虫だな~」


なんて、健司がからかってきたけど

泣き続けた。





だって

健司も私のこと好きなんて―…




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