あわ玉キャンディ


「それに......もう藍には、会えなくなるかもしれない」


「.........え?」


あまりにも真剣な里内さんから発せられる言葉は、とても嘘を言っているようには思えなくて。

頭が真っ白になるのがわかる。


――霧崎さんに...、会えなくなる?

二度と?



「それ...どういうことなの!?」


「詳しくは俺からは言えない。...知りたいなら、藍に会いに行け」


信じたくなくて声を荒らげるあたしに、きっぱりと言い放つ。

そして里内さんは、『伝えなければいけないことはすべて伝えた』といったようすで、立ち上がりカフェを出ていく。

あたしはというと、思わず浮いた腰をゆっくりと下ろして、しばらく呆然としていた。


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