届かない想い。



「ハァ…ハァ…ゴホッ!ゆ、う?」


北公園に着いた。

優は?優は一体どこ?


辺りを見渡しても優の姿はなかった。

え、北公園だよね?

…どこにいるのー?


「……美結。」

「…っ!優!」


優がいないから、近くのベンチに座って待っていると、後ろから優の声があたしを呼んだ。



「ごめん。…待った?」

「ううんっ!大丈夫…」

「そっか。」

「うん…」



……………………

気まずい。

どうしよう…どうしよう…


「あのさ…………」

「えっ?」


先に沈黙を破ったのは優だった



「…返事は、わかってるから」

「…え。」

「美結の気持ちはわかってる」

「優……」



でも…でも…



「返事は…ちゃんとする。」

「えっ…」



ちゃんとするって決めたから…


逃げないんだ。


きちんと…優の気持ちに返事をするんだ。


< 68 / 104 >

この作品をシェア

pagetop