難しい恋は遠慮させてください
「はーい!今日の部活はこれで終わりー!」
千夏先輩の元気な声が部室に響いて消えた。
あの後、音出しの時に三年の女子の先輩。志保李先輩からスティックを借りた。
「リオ帰ろー!」
「うん!」
トントン
右手の手首に何かがあたった。
「?」
振り替えると伊島先輩が照れ臭そうに頭を掻いてそこに立っていた。
「なんですか?」
「これ…あげる…」
伊島先輩が差し出したのは、ずっと手に持っていた黒いスティックだった。
「え?本当ですか?」
「俺、同じのもう一本持ってるし…」
伊島先輩は目をあわせない。
ほぼ無理矢理私の手にスティックを押しつけた。
「あっ…」
「リオちゃーん!次の予約表かいてー!」
千夏先輩が次回の部活の音出しの順番のファイルを振り回した。
伊島先輩にまだお礼言ってないのにぃぃぃーッッ!
私は最速で希望予定を記入して伊島先輩を追い掛けた。
伊島先輩はまだ廊下にいて、すぐに追い付いた。
「先輩!」
「ん?」
「これ、新しいスティックを買ったら返したほうがいいですか?」
「いいよ。予備でもいいし友達にかすようでもいいし。持ってて?」
優しく笑う伊島先輩。
私は手の中のスティックを見つめた。
千夏先輩の元気な声が部室に響いて消えた。
あの後、音出しの時に三年の女子の先輩。志保李先輩からスティックを借りた。
「リオ帰ろー!」
「うん!」
トントン
右手の手首に何かがあたった。
「?」
振り替えると伊島先輩が照れ臭そうに頭を掻いてそこに立っていた。
「なんですか?」
「これ…あげる…」
伊島先輩が差し出したのは、ずっと手に持っていた黒いスティックだった。
「え?本当ですか?」
「俺、同じのもう一本持ってるし…」
伊島先輩は目をあわせない。
ほぼ無理矢理私の手にスティックを押しつけた。
「あっ…」
「リオちゃーん!次の予約表かいてー!」
千夏先輩が次回の部活の音出しの順番のファイルを振り回した。
伊島先輩にまだお礼言ってないのにぃぃぃーッッ!
私は最速で希望予定を記入して伊島先輩を追い掛けた。
伊島先輩はまだ廊下にいて、すぐに追い付いた。
「先輩!」
「ん?」
「これ、新しいスティックを買ったら返したほうがいいですか?」
「いいよ。予備でもいいし友達にかすようでもいいし。持ってて?」
優しく笑う伊島先輩。
私は手の中のスティックを見つめた。