楽園の炎
「ユウは・・・・・・何者なの?」
言葉と一緒に、朱夏の瞳から、涙がこぼれる。
ユウは少し微笑んだだけで、頬を包んでいた手で、朱夏の涙を拭った。
ユウが口を開きかけたとき、微かな足音が二人の耳に届いた。
見張りの交代だ。
「朱夏、早く行け。頼んだぞ」
ユウが、朱夏の肩を押した。
「でも・・・・・・」
この時間の見張りの交代時には、一日二回の食事が運ばれる。
つまり、兵士が降りてくるのだ。
早く出ないと、食事を受け取った兵士が、兵舎から戻ってきてしまう。
だが朱夏は、牢の格子にかけた手を離さない。
頭では、早く行かないといけないとわかっているが、身体がどうしても動かないのだ。
ユウに、縋るような目を向ける。
「朱夏!」
小声で叫ぶと、不意にユウは、朱夏の肩を掴んで引き寄せた。
牢の格子越しに、唇を重ねる。
一瞬だけ、朱夏の身体を強く抱きしめ、ユウは朱夏を押し出すように、身体を離した。
「行け」
強く言われ、朱夏は振り返りつつも、出口に向かった。
階段の前で、もう一度振り返る。
涙の海の中で、ユウが微笑んでいた。
言葉と一緒に、朱夏の瞳から、涙がこぼれる。
ユウは少し微笑んだだけで、頬を包んでいた手で、朱夏の涙を拭った。
ユウが口を開きかけたとき、微かな足音が二人の耳に届いた。
見張りの交代だ。
「朱夏、早く行け。頼んだぞ」
ユウが、朱夏の肩を押した。
「でも・・・・・・」
この時間の見張りの交代時には、一日二回の食事が運ばれる。
つまり、兵士が降りてくるのだ。
早く出ないと、食事を受け取った兵士が、兵舎から戻ってきてしまう。
だが朱夏は、牢の格子にかけた手を離さない。
頭では、早く行かないといけないとわかっているが、身体がどうしても動かないのだ。
ユウに、縋るような目を向ける。
「朱夏!」
小声で叫ぶと、不意にユウは、朱夏の肩を掴んで引き寄せた。
牢の格子越しに、唇を重ねる。
一瞬だけ、朱夏の身体を強く抱きしめ、ユウは朱夏を押し出すように、身体を離した。
「行け」
強く言われ、朱夏は振り返りつつも、出口に向かった。
階段の前で、もう一度振り返る。
涙の海の中で、ユウが微笑んでいた。