楽園の炎
湯殿から出ると、宝瓶宮の居間に夕星の姿があった。
「あれ? ナスル姫様たちと、皇太子様のところに行ったんじゃないの?」
「ナスルの使いだよ」
相変わらず人使いが荒い、とぶつぶつ言いながら、夕星は立ち上がって朱夏の手を取った。
ふとその手を、まじまじと見る。
「あんだけ剣の稽古をしてるわりには、すべすべだね」
握った手を顔の高さまで上げて、じっと見る。
「あ、えっと。何か、最近アルがさぁ、暇さえあれば、香油を擦りつけるんだもの」
ちょっと照れて、朱夏は意味無く、えへへ、と笑った。
夕星は朱夏の左手の薬指をつるりと撫で、満足そうに微笑んだ。
「これなら指輪も、入りやすいだろうね」
きょとん、とする朱夏の後ろから、アルがぼそ、と耳打ちする。
「結婚指輪ですわよ」
「! あ、ああ~、そ、そうね」
あはは、と笑い、夕星から手を奪い返す。
アルが指の先まで磨き上げる理由が、やっとわかった。
「あれ? ナスル姫様たちと、皇太子様のところに行ったんじゃないの?」
「ナスルの使いだよ」
相変わらず人使いが荒い、とぶつぶつ言いながら、夕星は立ち上がって朱夏の手を取った。
ふとその手を、まじまじと見る。
「あんだけ剣の稽古をしてるわりには、すべすべだね」
握った手を顔の高さまで上げて、じっと見る。
「あ、えっと。何か、最近アルがさぁ、暇さえあれば、香油を擦りつけるんだもの」
ちょっと照れて、朱夏は意味無く、えへへ、と笑った。
夕星は朱夏の左手の薬指をつるりと撫で、満足そうに微笑んだ。
「これなら指輪も、入りやすいだろうね」
きょとん、とする朱夏の後ろから、アルがぼそ、と耳打ちする。
「結婚指輪ですわよ」
「! あ、ああ~、そ、そうね」
あはは、と笑い、夕星から手を奪い返す。
アルが指の先まで磨き上げる理由が、やっとわかった。