楽園の炎
「お、お待ちください」
声が、隣室から響いてくる。
その声に被って、とたたた、と軽い足音が聞こえ、大きな籠を抱えた小さな姫君が走り込んできた。
皇太子の娘、ニオベ姫だ。
「あらまぁ、どうしましたの、ニオベ姫」
トゥーラ皇后が腰を浮かす前に、ニオベ姫は手に持っていた籠を、どんと机の上に置いた。
籠の中には、最早見慣れた焼き菓子が詰まっている。
「申し訳ありません。姫君が、これを持って行くと聞かなくて・・・・・・」
侍女が慌てて茶器を置き、頭を下げる。
「あらあら、ニオベ姫がお菓子を持ってきてくれたの? ありがとう」
「・・・・・・」
皇后に頭を撫でられながら、ニオベ姫は、じっと朱夏を見る。
黙っているのは機嫌が悪いわけではなく、運んでくる道中、籠の中の焼き菓子を摘んだからのようだ。
もぐもぐと、必死で咀嚼している。
「おや、ニオベ姫。つまみ食いしましたね?」
トゥーラ皇后の言葉に、ニオベ姫は、びくぅっと小さく飛び上がる。
その拍子に、喉に詰まったのだろう、けほんけほんと咳をし、目を白黒させてばたばたした。
声が、隣室から響いてくる。
その声に被って、とたたた、と軽い足音が聞こえ、大きな籠を抱えた小さな姫君が走り込んできた。
皇太子の娘、ニオベ姫だ。
「あらまぁ、どうしましたの、ニオベ姫」
トゥーラ皇后が腰を浮かす前に、ニオベ姫は手に持っていた籠を、どんと机の上に置いた。
籠の中には、最早見慣れた焼き菓子が詰まっている。
「申し訳ありません。姫君が、これを持って行くと聞かなくて・・・・・・」
侍女が慌てて茶器を置き、頭を下げる。
「あらあら、ニオベ姫がお菓子を持ってきてくれたの? ありがとう」
「・・・・・・」
皇后に頭を撫でられながら、ニオベ姫は、じっと朱夏を見る。
黙っているのは機嫌が悪いわけではなく、運んでくる道中、籠の中の焼き菓子を摘んだからのようだ。
もぐもぐと、必死で咀嚼している。
「おや、ニオベ姫。つまみ食いしましたね?」
トゥーラ皇后の言葉に、ニオベ姫は、びくぅっと小さく飛び上がる。
その拍子に、喉に詰まったのだろう、けほんけほんと咳をし、目を白黒させてばたばたした。