少女マンガのある風景
『午前3時の無法地帯』〜学生と社会人、好きだった人と好きな人、女と仕事。はざまでゆれる想いをのせて
漫画家ねむようこさんのマンガ、『午前3時の無法地帯』(全三巻)の紹介をしたいと思います。『FEEL YOUNG』2008年5月号-2009年7月号に連載されたものです。

【デザイン系の専門学校からイラストレーターに憧れて「七瀬もも子」が入った会社はパチンコ系のデザイン会社。そのあまりの過酷な労働条件に「どうせすぐやめるけどね」という気持ちのまますごすもも子に、職場の同僚やノリの合わなくなった彼氏、そして新たに気になる男性の出現でもも子の日常はどんどん荒波にもまれていく…】

ということで、物語の舞台はとっても「男っぽい」場所ですが、主役のボブっ子ももちゃんが何度もヘコタレながら「女全開」でつきすすんでいくさまをコメディタッチに描いています。「仕事」に対する姿勢からもかなり男性も共感できるうえに、そんな中いかに「女子としての自分を維持するか」ということで、女性にもいろいろと参考になるところが多いと思います。
『FEEL YOUNG』特有の「カワイイんだけどどこか色気のあるオシャレ感」がこのねむようこさんの絵にもただよっていて、主役のももちゃんのファッションもいちいち似合っててカワイイんです(笑)。ねむさんの「愛され感」のある絵柄が、すごく雰囲気があっていいんですよね。それでいて吐かれるセリフが非常に「マッチョ」という(笑)。そのギャップも萌えです(笑)。



学生から社会人へ…期待に胸ふくらませて入った新しい環境が全然理想と違っていた。自分の世界観が広がることでこれまでの世界が、恋人が、急に色あせて見えた。まったく知らなかったタイプの仲間、異性との接触…いろいろな変化にとまどうことも多いですが、凹んだり、ちょっとずつ成長を繰り返しながらも前にすすんでいく。そんな勇気をもらえるマンガです。


続編の『午前3時の危険地帯』も連載中で、コミックス2巻まで出ています。こちらのレビューも近々書きますね。




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