モテ彼×ブキヨウ彼女
ヒソヒソ…
ヒソヒソ…
「ねーあれ、神崎大二郎君じゃない?」
「え!あっ本当だっ!」
「しかも、隣にいるの女の子だよ」
「えーやだぁ…彼女?」
…そう。
なぜなら、最初は誰もいなかったこの場所に、どんどん人が集まって来ているから。
当然だよ…。
だって、神崎君、無駄に背が高いんだもん。
そりゃあ、目立つって…。
それでもなお、口を開こうとしない彼に、あたしはとうとう痺れを切らした。
「用がないなら、あたし行きますね」
すると――
「あ…ちょっと待って!
あの…櫻井円香さんっ!
ずっと前から好きでした!
俺と、付き合って下さいっ!!」