涙が愛しさに変わるまで
「なんで知ったの?」
「あ、私には言えないけど他の子には言えるって言われたんです」
「んー…」
そう言って誠さんは腕を組んだ。
「そうとは限らないよね」
「そうなんです。本人に言われたわけじゃないんです」
だから、確定してはいけないんだけど
もしもを考えると怖い。
「聞けないんです。大好きな親友なんで失いたくないんです」
「でも、本当に大切な人だからこそ確かめないといけないよ」
カウンターに置いている私の手を真依さんが握った。