ちっぽけな幸せを君に
 「そしてあの日……学校から帰ると親父は母さんを殴ってた。だから俺さ――殺してやろうと思ったんだ……」


 「それで止めようと間に入ったお母さんを刺してしまった?」


 俺の言葉を先取りして流歌は呟いた。


 「ああ……どうしてあんな奴を――」


 「わからないの?」


 馬鹿ね――


 そう言って流歌は立ち上がると俺の前に立って手を差し出した。


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