こちら新宿中央署刑事課
　坂野たち新宿中央署のデカと同じように……。


　すでにマル被が死亡してしまったことで、事件は収束に近いのだが、やはり引っ掛かるものはある。


　永嶋殺しで古河村比呂氏は警察に自首してきたのだし、内多桂三も撲殺された。


　村川グループの人間が内多を消した可能性が高い。


　だが真相は闇の中だ。


　それにデータを物色した石松貴朗と、松岡興業の岩沼専務ひき逃げの容疑が掛かった綾坂恵作はまだ捕まってない。


　やはり警察の手を借りることになるだろうと、河相を始め、検事たちは皆そう思っていた。


　検察の捜査は関係先から物証を押収すれば、後は終わりなのである。


　もちろん逮捕権はあるが、事が刑事事件になれば、警察に要請して捜査員を投入してもらうことになるのだ。


　河相たちは一応、社内に設置してあった全てのパソコンから社員に離れてもらい、フラッシュメモリを使って全てのデータを取り込んだ。

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表紙・目次

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