愛しい君に。


恋なんてしたことなかった。
“恋”なんてしたことなかった。

しなくてもいいと思ってた。
でも、してないだけで違うものだった。


「心優、ごめん。いってもわかってもらえないと思う」

少しずつ落ち着きを取り戻したメグはそういった。


確かにわからない。

いつもそうだった。

教室でよく盛り上がる会話。
いわゆる“恋バナ”ってヤツ。

わたしにはなぜ楽しいかわからなかったし、
話に加わろうとはしなかった。

所詮、恋なんて。

わたしは今まで恋を後回しにしていた。

いつか忘れたけど誰かが言ってた。

『恋は一瞬。友は一生』

わたしはそれを信じた。

今も信じてる。

でも今、それが裏切られそうになっている。


< 4 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop