独身マン
「僕は・・・。 そうですね。 がんばってみようかなって思います」



さわやかな笑顔で英は控えめに言う。 そのさわやかな笑顔が、余裕面に見えてなんかムカツク。



(どうせうまくいくんだろ? 苦労しらずの甘ちゃん坊主が)



と思いながらも表ではにやにや笑顔の正義。



「へへ、青春だね~。 いいなぁ~」


「田端さんはどうなんですか? 彼女とか・・・」


「いや~。 彼女はねぇ~。 女はコリゴリだよ~」


「・・・そうですかー」


「ねー、どんな子なのぉ~」



さらに正義はズイっと身体を英に近づけた。 正直、ウザイ。



「・・・。 まぁ」



英はコクコク頷きながら、言葉を濁らせる。



「え? なに? 内緒系?」



英:(どういう系だよ・・・)




「でもさ~」



正義は椅子に深くもたれかかった。 足組と腕組をし、持っていたペンをくるくる回す。



「拓也くんなんかは、女遊びとか激しそうだよね~。 あれ? てかいないじゃん?」



背筋を伸ばして拓也を探す正義。 しかし彼の姿はどこにも無い。



「休憩かな~。 でもさー」



また英に近づく。



(しつこいなー・・・)
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