独身マン
なんだか分からないけど、もの凄い不安に襲われた。



（お参り行って、今年こそ彼女ができますようにって、お参りしようかなぁ・・・）



「お！　カウントダウンが始まったよ！」



いっせいにみんながテレビに釘つけになった。　あちこちの場所で、たくさんの人が盛り上がっているライブ映像が流されている。　



「・・・」



正義には、テレビの向こうの人たちがバカにしか見えない。



「３・・・２・・・１・・・」



ゴーン。　ゴーン。



「明けましておめでとう！」



新年を迎え、みんな笑顔だ。　正義もビールの缶を持って素直に喜び、みんなで乾杯しあった。



だけど正直どうでもいい。



「今年こそ彼女ができるといいね！」



加奈は正義と乾杯しあったとき、酔いながら嫌味なのか優しさなのか、なんとも言えない事をいってきた。



（さえちゃん、どうしてるかなぁ）



もちろんさえだけでなく、その他の女性も脳裏に浮かんだ。
< 159 / 258 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop