独身マン
欲しいものは君からの連絡
「ちょっと、何怒ってんのよ」



さえが英に怒っている。 というよりも、英がムスッと怒っている様子だ。 何があったのだろう。



その日、正義が休憩から戻ってくると、さえと英が事務所でちょっとした言い争いをしていた。



「別に怒ってないけど」



英はどう考えても怒っている。 正義は少し冷や冷やしながら、気まずそうに仕方がなく席につく。



「ふん」



するとさえが黙って席を立ち、書類を持ってコピー機に近づいていった。



英もさえも、黙って仕事をする。 怒りながらも冷静さを保つためか、2人ともとりあえず熱心に仕事にうち込んでいた。



(今日はどうしちゃったのかなぁ~)



正義はあえてふれない。 困った事に、た、ま~に2人は喧嘩をする。 もちろんスグに仲直りする仲のいいバカカップルだけど、喧嘩のたびに回りが気を使わなくてはいけない。



けれども可南子だけはどうどうと言う。(もちろん優しく)



「こんなところで喧嘩しないで」



だけどそのほうがいいのかも。 張り詰めた空気も、その一言でさえが



「だってさ~!」



と甘えん坊のようにキャぴキャぴ跳ねだす。
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