独身マン

正義の休憩場所はだいたい決まっている。
職場近くの喫茶店か、大好物のファーストフード店だ。
今日はなんとなくパスタが食べたい気分だったので、正義は喫茶店へ向かった。


「いらっしゃいませ」


店内はそれなりに繁盛している様子。
奥に二人用の席が開いていたので、正義はそこへ座った。
たまに違う課の人がいたりするけど、基本的に人見知りをする正義は声をかけたりはしない。
でも今日はいないようだ。


「どうぞ」

店員のおばさんがお絞りをわたしてきた。
この店のランチはパスタランチとオムライスランチの2種類しか無い。
後はサンドイッチとケーキ類ぐらいだ。


「パスタランチを」


「はい」

喫茶店の店員というものはあまり愛想がよくない。
でも分かっているからあまり気にもしない。


(そうだ、携帯)


正義はスーツのパンツポケットから携帯を取り出し、【みなみちゃん】からのメールを確認した。

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