獅子の生きる道
「あら、早かったじゃない」

情報屋はパイプ式のタバコをふかしながら、タロットカードをいじっているようだ。

「雑魚に時間はかからん」

城から情報屋までの距離は遠くはない。

しかし、外にも敵がいるのは当たり前の事で、出会うのも必然となる。

ただ、以前のようなうっとうしさはなく、時間がかかることはなかった。

「何の用だ?」

近くにあった椅子に腰をかける。

「まずはおめでとう」

タロットカードを切るのをやめて、手をたたく。

「それを言うだけのために俺を呼んだのか?」

「まさか、あなたに色々と説明してあげようかと思ってね」

「金を取る気か?」

慈善事業じゃあるまいし、簡単に信用はできない。

「本当ならそうしようかと思ったけど、今回はあなたが偉業を成し遂げたから、サービスよ」

「あんな雑魚を倒して偉業か」

「雑魚、ね。倒したとはいえ、どっからそんな自信がわいてくるのかわからないわ」

ため息をついて、半眼で俺を見る。

「早く言え」

「相変わらずせっかちさん」

タロットカードの中から死神のタロットカードを中から引き当てると、それを俺の前に見せる。

「あなたはジョヴァンニ様を始末した。それで貰ったものない?」

「これか」

紋章の描かれた板を懐から取り出した。
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