年上旦那様
えーと、なになに?
「栗谷紫乃(クリヤ シノ)さん…ですか?」
「はい。」
いや、『はい。』って…
結局誰なんだよ!
とは言えず……
「えっと、夫の知り合いでしょうか…?」
私が栗谷さんの顔色を窺いながら聞くと、
栗谷さんはキレ長の目を大きく見開いた。
「やっぱりあなた、漣と結婚しているの?!」
「は、はい…そうですが……」
私と漣が結婚してちゃ悪い?!
ってか!
『漣』って何よ!
私だって、今日呼び始めたばっかなのに!!
馴れ馴れしく呼んでんじゃねー!
「なんでこんな小娘と……」
こ、小娘…っ?
栗谷さんはボソッと言ったが、
私は聞き逃さなかった。
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