年上旦那様
「私、さっき嘘を言おうとしていたんです。」
嘘…?
「私のおなかに漣の赤ちゃんがいるっていう……」
えぇぇっっ?!
って、あ。
嘘か。
よかった。
「でも、もういいです。」
そう言ってから、
栗谷さんは私を見て綺麗に微笑んだ。
「漣の奥さんがこんな素敵な方だってわかったから…」
素敵?
私が?
「友達伝いに、漣が結婚したって聞いて…しかも7歳も離れた年下と!」
す、すいません…。
こんなガキですいません…。
「私とは結婚の話なんて一切しなかったのに、なんで7歳も離れた子と結婚するの?!って思っちゃって…。勢いで来ちゃったんです…。」
そ、そうなんだ…。
なんか、私、漣にとって嫌なヤツみたいだな…。
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