Reality~切ない恋の唄~
それは、ほんの数秒だった。

楽譜にすれば、
一小節か二小節ぐらい。

ジュリア様のパートまで歌ってしまったのだ…。



歌ってる途中、
自分以外の人の声が聴こえる気がした。

気づいた時には、もう遅い。



自分のソロの部分が終わってるのに、そのままジュリア様のソロだったはずのところも歌ってしまった…。

慌てて歌うのを止める。



客席に熱い視線を送っていたジュリア様が、ゆっくりと私のほうに振り返った。



一気に血の気がひいていく。



ジュリア様の冷たい目は、
この世のものとは思えなかった…。
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