俺様アイドルとオタク女のキケンな関係
出席簿を叩きながら、メタボのオジサンが入ってきて、ザワザワと席につき始めるあたしたち。
これが我が担任の原西、通称・ハラダシ。
理由は単に腹が出てるから。
でも、そんなハラダシを一人違う目で見てるのが、エマちん。
そう、さっきちょろっと言ったけど、エマちんの独特な好みとはこのこと。
エマちん、超ジジ専なの。
こんなぽわぽわで可愛い子なのに、イメージとギャップあるよね。
いくらなんでもハラダシはないと思うんだけど、エマちんはこの学校の中で希少なオジサンという生き物には、すべて目を輝かせてしまうのだ。
「夏休みあけでぼけてんじゃねーぞ。先生みたいにシャキッとしろよ、シャキッと!」
そして最後にドヤ顔をするハラダシに野次が飛ぶ飛ぶ。
「そんなのいいから、早く転校生紹介してよ!」
「そうだよ、早くー!」
見事、浮き立つ女子たちに顔をゆがませるハラダシ。
「そういう情報だけは、早いよなぁ。おい、入れー。」