“スキ”を10文字以内で答えよ
***
「おっはよー!実依!今日も朝から機嫌悪そうだね!!」
「おはよう希里。朝からハイテンションだね」
今日、私はどうやって学校に来たんだろう。
覚えてない。
制服もきちんと着てるし、髪も2つに結んでいる。
いつもと同じサイクルだから、大して気にも留めていなかったのだろう。
「あ!ねぇねぇ実依!このまえの中間考査の結果、貼り出されてるよ!」
「別に今見に行かなくても……」
「あたしが見たいのー!」
希里にズルズルと引き摺られ、貼り出されている上位50名の表を見る。
……と言っても、私は身長152センチ。
表の端ですら見えない。
「ねぇ希里、やっぱり後で見に行けばいいんじゃ」
「実依、何したらこんな点数取れるの?!」
「はあ?」
身長が165センチの希里は、少し背伸びをしただけで見えるのだろう。
「ヤバイ」とか「この子何?!」とか言ってくる。
ニカッと笑いながら、私を前に押す。
「まっ、いつもと変わんないけどねー実依チャンは!」
「ほら……押したら迷惑になるでしょ……」
胡散臭そうに私を見る皆の目が怖い。
背中を丸めながら、「ごめんなさい通して下さい」と言い、やっとの事で表を見る。