“スキ”を10文字以内で答えよ
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「2年5組、星野葵です……」
私と彼女しか居ない、5時間目の保健室。
あの後私は、叩かれたところを冷やそうと、保健室に行った。
彼女は付き添いで来たようだが。
同い年でこんな美少女が居たんだ、なんて違う事を考えながら、私は右頬に氷を当てる。
「私、才木知紘くんの幼馴染なんです」
でしょうね。
あの口調と才木くんの呼び方で分かる。
「一昨日、知紘の部屋に行った時、本を見つけたんです」
本………?
「知紘に、『これ読んだの?』って訊いたら、『読んでない』って言われて。
でも、気になってちょっとだけ読んでしまったんですけど……、その本……えっと……」
「官能小説だったとか?」
「え、えええ?!何で奈神さんが知ってるんですか?!!」
やっぱり。
それ、私が書いたんですよ。
なんて、口が裂けても言えやしないけど。
「その、小説どうしたの?って訊いたら、『ちょっとね』としか言わなくて……。
知紘の会話に、最近よく出てくるのが奈神さんだから、もしかしてと思って」
勘違いも甚だしい。
それより、才木くんが私を話題に出すなんて。
意外だ。
「あの、本当にごめんなさい!!」
真正面から腰を90度に曲げ、私に謝ってくる。
彼女から謝ってきた事だし、そろそろ私も折ろう。