“スキ”を10文字以内で答えよ
「いやぁ、今回の試験の結果!素晴らしいじゃないか!校長先生も、こんな賢い生徒は初めてだよ!」
「あ…はは……。ありがとうございます」
邪魔。
こんなのと話している時間が勿体無い。
さっさと退いてよ。
「奈神さん、困った時はいつでも校長先生に頼るんだよ」
「……はい」
去り際に、左肩をポンと手を置かれた。
汚らわしい。
でも、逆らえない。
この校長は、私の叔父にあたる人らしい。
父親について何も知らないが、本人自らが私にそう言ってきた。
子どもながらに、胡散臭い人だと思った。
私におもちゃを買い与えたり、頻りに「君は楽しいかい?」と訊いてきたり。
祖母は、私が叔父と会うことを、快く思っていなかった様だ。
何故この人が校長にでもなれたのだろうか。
どうせコネだろう。
触れられた左肩を手で掃い、キッと睨みつけた。