不適な。



「なに…触んないでよ」


「俺にそんな事言っちゃうわけ?」


「だったら何?!何様!?」


「拓人様」


「ふざけないでよ!」


「ふざけてないけど?」




あたしは涙に気づかれないよぉにドアの方を向いた


それなのに拓人はあたしの顔をクイッと自分の方に向けた




「何泣いてんの?」


「…」


「無視すんの?」


「…」


「あゆかー」


「…拓人が、拓人が意地悪するからっ」


「ふーん、じゃあもっとイジメてあげようか」


「なんでよっ」


「だって



泣き顔ってそそられるじゃん」




あたしは不敵な笑みを浮かべる拓人に不覚にもトキメいてしまったんだ





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