恋心
「座れば」
そして、何故か俺に座るように言って。
だけど、座ったものの何か話してくることはなくて。
近くにある砂場で遊んでいる子供たちの姿を、俺たちはただボーッと眺めていた。
とても静かな時間だった。
交わす言葉も見つからないままで。
だけど、突然響いてきた音に俺も相原も体がビクッと反応した。
「あっ、5時のお知らせかな」
「んー、そうかもな」
聴こえてくる、夕焼けこやけのメロディー。
何だか懐かしい。
昔、よく遊んでいた公園でも5時になるとこれが流れてたっけな…。