恋心



「座れば」



そして、何故か俺に座るように言って。


だけど、座ったものの何か話してくることはなくて。



近くにある砂場で遊んでいる子供たちの姿を、俺たちはただボーッと眺めていた。



とても静かな時間だった。

交わす言葉も見つからないままで。



だけど、突然響いてきた音に俺も相原も体がビクッと反応した。



「あっ、5時のお知らせかな」


「んー、そうかもな」



聴こえてくる、夕焼けこやけのメロディー。


何だか懐かしい。


昔、よく遊んでいた公園でも5時になるとこれが流れてたっけな…。



< 161 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop