恋心
夢から醒めてーNatsumi



「でも、ありがとね…」


「お前でも礼とか言えるんだな」


「はぁ⁉今の撤回!キャンセル!」


「キャンセルって何だよ、ハハッ」



本当は泣きそうだった。

笑っていたけど、視界がぼんやりしてた。

テンポよく言葉を交わしていたけど、気を抜いたら涙がこぼれそうだった。



だけど、こいつがすぐ隣にいるから。

泣かずにいられた。



情けなくてたまらない。

また騙されてたなんて…バカ過ぎる自分が嫌になった。



清原大雅が現れなかったら、もう少しでキスされそうだった。


キスされていたら、きっとまたあたしは…急速に先輩に落ちていってたと思う。


< 163 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop