恋心
調子が狂ってしまう。
やけに親切なあいつに。
「いーよ、歩いていけるし」
「は?いーから乗れって!」
もう誰もいない小さな公園に、あいつの大きな声が響いた。
「おっ、重いとか言ったらぶっ殺すからね」
トボトボと自転車に近付き、後ろに乗るとすぐに自転車は走りだしていく。
「あーっ、足にくるわー」
「は!?」
「明日筋肉痛かも」
「バカ!重いとか言ったらぶっ殺すって言ったでしょ!」
「え、俺重いなんて一言も言ってませんけどー」
生ぬるい夏の風と
目の前の白いシャツと
聞こえてくる…清原の声。
春ちゃんの言う通り、あんまり悪い奴じゃないのかも。
そんなことを思いながら、大きな背中を見つめていた。