恋心



清原はすぐにベッドにゴロンと寝転がった。



「ハァーッ…」


そして、ため息のような重い息を吐く。


やっぱり昨日のこと、ショックだったんだ。

学校休んじゃうくらい、ショックだったんだね…。



「ックシュン!」


ぼんやりとそんなことを考えていた時だった。

静かな空気の中で清原がバカデカイくしゃみをしたから、ビクッと過剰に反応してしまった。



「あ、ごめん」


「ううん、大丈夫」



だけど、次は鼻水をすするような音がして。

そしたらまた、くしゃみをしてて。


何も喋らないで目を閉じている清原に、違和感を感じた。



「ねぇ、もしかして」


「ん?何だよ」



ベッドに寝転がっている清原のそばに行き、そっとおでこに手を当てた。


やっぱり…



「熱あるじゃん!」


「熱?ねーよ、熱なんて」


「体温計は?」


「だから大丈夫だって」



気だるそうに清原は大丈夫だと言ったけど。

ほっとけないと思った。


お節介かもしれないけど…

ほっとけなかったんだ。

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