恋心
「おじゃま…します」
「おー。ま、誰もいねーけどな」
誰もいない…のか…。
そう思った途端、何故かドキドキして心臓がバクバク鳴り出した。
「こっち」
そして、そう言った清原の後をついて二階に上がると、階段を登ってすぐの部屋に入った。
とても殺風景な部屋だった。
ベッドとテレビと…ゲーム、それから大量の漫画が壁際に積まれるように置かれていた。
「ザ・男の子の部屋って感じだね」
「ま、男だからな。何?お前の部屋ピンク色とかそっち系なわけ?」
「ピンク?あたしがそういう感じな部屋にしてるように見える?」
「いや、全く見えないけど」
「でしょ?」
ハハッと笑って。
そしたら、シーンとして。
静かになった部屋の中では、時計の秒針の音が静かに響いていた。