恋心


「おじゃま…します」


「おー。ま、誰もいねーけどな」



誰もいない…のか…。


そう思った途端、何故かドキドキして心臓がバクバク鳴り出した。



「こっち」


そして、そう言った清原の後をついて二階に上がると、階段を登ってすぐの部屋に入った。



とても殺風景な部屋だった。

ベッドとテレビと…ゲーム、それから大量の漫画が壁際に積まれるように置かれていた。



「ザ・男の子の部屋って感じだね」


「ま、男だからな。何?お前の部屋ピンク色とかそっち系なわけ?」


「ピンク?あたしがそういう感じな部屋にしてるように見える?」


「いや、全く見えないけど」


「でしょ?」



ハハッと笑って。

そしたら、シーンとして。


静かになった部屋の中では、時計の秒針の音が静かに響いていた。

< 235 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop