未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*

本当は“どうもしない”ことはないんだ。

自分でも不思議で仕方なかった。
あたしってば本当にどうしちゃったっていうの?

本音を言えば午前中なんて、授業どころじゃなかった。


辻之内 葵 ──

あれ、マジで反則だよ。
あの美少年ぶりは有り得ないでしょ?

去年一年間だって学校の至るところで見かけたことは腐るほどあったっていうのに。

でもね。間近で見た美しさと言ったらハンパなくて。

髪なんて、あんな色に染めてるくせにツヤツヤのサラサラだし。

『なっが!』ってビックリするくらいの睫毛に、目なんて星屑を散りばめたみたいにキラキラしちゃってて。

肌も、そんじょそこらの美少女だって敵わないほど白くてスッベスベなんだから。

『机、小っちゃっ!!』って思ったら、足が長すぎたって話だし。

おまけにイイ香りまで漂わせちゃってるし……。

もう、参りましたーお手上げです~。ってそんな感じなんだよね。

そのうち席替えになると思うけど、それまであたしの体もつんだろーか?

そんな疑問さえ生まれてくる。



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