未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
明日からは夏休み。
梅雨の間はジメジメ、ムシムシだったけど、明けたら明けたでカンカン照りの毎日。
もうっ、暑いのなんのって。
そんな今日、あたしは日直で。放課後に辻之内と日誌書きをしていた。
それはまるで、恒例行事みたいになってる。
恒例行事みたいになってるんだけど、なんだか今日はいつもと違う。
「時田、行こ?」
「うん」
違うのは、あたしの………心?
教室を出る時、立ち止まり後ろを振り返った辻之内。
「……どうかした?」
「いや、たださ、休み明けには席替えするんだなっと思って」
「そうだね。前にキジモン言ってたもんね」
「そうしたら、時田とも離れちゃうね?」
「………」
そして歩きだした彼の背中を見つめながら、あたしの心がキュンって鳴いた。