未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*

明日からは夏休み。

梅雨の間はジメジメ、ムシムシだったけど、明けたら明けたでカンカン照りの毎日。

もうっ、暑いのなんのって。

そんな今日、あたしは日直で。放課後に辻之内と日誌書きをしていた。

それはまるで、恒例行事みたいになってる。

恒例行事みたいになってるんだけど、なんだか今日はいつもと違う。


「時田、行こ?」

「うん」


違うのは、あたしの………心?

教室を出る時、立ち止まり後ろを振り返った辻之内。


「……どうかした?」

「いや、たださ、休み明けには席替えするんだなっと思って」

「そうだね。前にキジモン言ってたもんね」

「そうしたら、時田とも離れちゃうね?」

「………」


そして歩きだした彼の背中を見つめながら、あたしの心がキュンって鳴いた。

< 142 / 406 >

この作品をシェア

pagetop