未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
しばらくして小さな駅へ降りた。
「ねぇ、見て!」
「あー、ハンググライダーだね」
青空に浮かぶカラフルな物体。
ここから見上げるそれは小さくて、まるで紙飛行機みたいに見える。
「子供の頃、思ったことない? 空を飛びたいって」
「時田は思ってたの?」
「うん。いいなぁ~気持ち良さそう」
小高い丘の上を二機のグライダーが飛んでいる。
青い空に白い雲、そこに黄色のグライダーがふわり。
「じゃあ、今度飛んでみる? こんな遠くへ来なくても乗せてくれるとこあるよ」
「え。
……いやあ、でも……」