未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*

スルッとはぎ取られ、ワンピースだけの姿になったあたし。

剥き出しの肩に辻之内の唇が触れた。
鎖骨にも、その下にも……。

いろんな場所を甘く刺激されて、声が漏れそうになる。

肩紐を降ろされて、胸もとに口づけられ……その部分の布地に指がかかって──


「待って!」


慌てて体を離した。

そっと顔を伺い見ると、見つめられながら返された。


「ごめん……夢中になりすぎた」


って………。
恥ずかしいけど、くすぐったく思う。

それから「でも、」と続けた。
あたしの頬に触れながら、とろけさせるような声で。


「俺、まだ足りないかも……」

「んんっ─」


そんなにされると、甘すぎて溶けちゃうよ?


溢れだす。熱く焦げそうな想いが。

“好き” がいっぱい、溢れだす。

いくら満ちても足りなくて、溺れそうになるよ。


好き。大好き──


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