未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
体は、白っぽい水色の電飾でできていて。

そして背中には、金色の翼が生えている。


「-―天使…?」


こんな時間に、この道を通ることはほとんどなくて、だからイルミネーションがあること知らなかった。


だけど、なんて皮肉なんだろ。


柔らかい微笑みが、いまのあたしには嘲笑に見えてしまう。

神様の使いであるその姿が、とてもイジワルなものに……。


白いバスローブ姿のあのヒト。

辻之内がずっと想い続けていた天使。


そしていまは、ただの幼なじみってだけじゃないんだよね。


両想いなんだから、恋人同士ってことなんだよね……。
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