未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
「イタタッ」


曲げていた膝を伸ばそうとしたら、足首に痛みが走った。


「大丈夫!? もしかして捻挫したんじゃないかな?」


足首に、そっと手を添えられる。


「痛いっ!!」

「あっ ごめんっ」


まさか捻挫だなんて。


でも転んだとき、確かに足首がグニャッてした気もしたし。

やっぱりズキズキって痛む。


すると、あたしの鞄を持って立ち上がった林田くん。


「はい」と言われて顔を上げると

腰を屈めて、こっちに背を向けた姿勢。


「えっ?」


これはまさか“おんぶ”のポーズ?


いや、さすがにそれはちょっと……


だけど林田くんは、動こうとしないあたしを不思議な顔で振り返って

「ほらっ」

って促した。


「いやっ そんなイイ、イイ!! 絶対そんなのムリ、ムリ!!」


首と手を同時に激しく振った。
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