未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
「なに言ってるの? あたしこそ、せっかくカラオケ行ったのにドジっちゃって先に帰るなんて、悪かったなって。
あっ でも、途中退場したせいでナカジーと二人っきりになれたから、かえってリカには都合良かったかな?」


笑いながら顔を見ると、リカは何故か顔を真っ赤にして。


「……」

「……どうしたの? あれから、なにかあった?」


恐る恐る訊いてみると


「ひぇっ!?」

と奇妙な声を上げた。



??? ―――



「リカ……?」


顔を覗きこみながら、そっと尋ねる。



赤くなったままの顔を上げたリカが、何か言いたげな表情で目を見開いた時。


「湊ちゃ~ん!」


背の高い影が視界の中へ入り込んだ。
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