未熟な天使 *恋と心理学と彼とわたし*
「湊、おはよっ」
校門前。
立ち止まって振り向くと、駆け寄って来るリカの姿があった。
「足、どお?」
心配そうに視線を下げるリカ。
「まだ少し痛むけど昨日よりは良くなったよ。ほら」
テーピングをした足首を持ち上げて見せた。
「ホントだ。昨日よりちゃんと歩けてるね。よかった」
とホッとした様子を浮かべたリカが
「ごめんね。あんなに痛そうにしてたのに、湊のこと林田に任せっきりで。本当はあたしが送ってくべきだったかなって。あたしって、友達としてどうなの? って夜になってから思ったの」
俯き加減にそんなことを言った。
そんなこと気にしてたなんて思いもよらなかった。
仕様がないよ。
だ~い好きなナカジーと一緒にいて、あたしのこと送るなんて、そんなのムリだよ、リカ。
心配しすぎだって。